表・リスト形式で出力させるプロンプト|そのまま使える指定の書き方
AIに調べものを頼むと、内容は悪くないのに長い文章で返ってきて、結局は自分で表に組み直している——そんな手戻りに時間を取られていないでしょうか。せっかく出力が速くても、資料に貼れる形になっていなければ作業時間は減りません。
実は、表やリストの形式はプロンプトで細かく指定できます。列名、行数、記号、文字数の上限、区切り文字まで指定すれば、コピーしてそのままExcelやスライドに貼れる出力が得られます。この記事では、出力形式を思い通りにコントロールするための書き方を、具体的なプロンプト例とともに整理します。
この記事でわかること
- 表で出力させるときに必ず指定すべき5つの要素
- Excel・スプレッドシートに貼るためのCSV/TSV出力の指定方法
- 箇条書きの粒度をそろえ、階層の深さを制御するコツ
- そのまま使えるプロンプト例と、崩れたときの直し方
出力形式の指定が必要な理由
生成AIは、形式の指定がなければ「説明としてわかりやすい形」を選びます。多くの場合それは文章です。しかし業務で欲しいのは、資料に貼れる構造化されたデータであることがほとんどです。この認識のずれが、貼り直し作業を生んでいます。
また、形式を決めないと出力が毎回変わります。同じ依頼を3回投げれば、列の数も並び順も違う3種類の表が返ってくることがあります。形式を固定しておけば、後から複数の結果を結合するのも簡単になります。
悪い例と良い例
まず、よくある依頼と、形式を指定した依頼を比べてみます。
プロンプト例
【悪い例】
社内で使えるチャットツールを比較して表にしてください。
【良い例】
社内チャットツールを比較する表を作ってください。
# 出力形式
- Markdownの表で出力する
- 列は左から順に固定: ツール名 / 主な用途 / 無料枠の有無 / 管理者機能 / 向いている組織規模
- 行は5行(ツール5種類)
- 各セルは30字以内。文章にせず体言止めで書く
- 表の前後に説明文や前置きを書かない(表だけを出力する)
# 内容のルール
- 料金の具体的な金額は変動するため書かない。「無料枠あり/なし」のみ記載
- 確実でない情報はセルに「要確認」と書く。推測で埋めない
良い例では、列名・行数・文字数・記載ルールをすべて明示しています。特に効くのが「表の前後に説明文を書かない」という一文です。これがないと、AIは表の前に長い前置きを、後に補足を付けてしまい、コピー範囲の選択が面倒になります。
表を指定するときの5要素
表形式を安定させるには、次の5つを書けばほぼ十分です。どれか一つでも抜けると出力が揺れます。
- 形式:Markdown表/CSV/TSV/HTMLの<table>のいずれか
- 列:列名と、左からの並び順を明記する
- 行数:「5行」「10行以内」など上限か固定値を書く
- セルの書き方:文字数上限、体言止めか文章か、空欄時の書き方
- 前後の文章:不要なら「表だけを出力」と明記する
用途によって適した出力形式は変わります。貼り付け先ごとの向き不向きを整理しました。
| 項目 | Markdown表 | CSV/TSV | HTMLのtable |
|---|---|---|---|
| 主な貼り付け先 | チャット・ドキュメント | Excel・スプレッドシート | Webページ・CMS |
| 見た目の確認 | 画面上で表として見える | テキストのまま見づらい | そのままでは見づらい |
| セル内の改行 | 崩れやすい | 崩れやすい | 扱いやすい |
| カンマを含む文 | 問題なし | CSVは崩れる。TSV推奨 | 問題なし |
| 向いている場面 | 会議用の比較表 | 集計・並べ替えをする | 記事や社内ポータル |
注意
CSVを指定すると、セル内に読点や「、」を含む日本語でレイアウトが崩れることがあります。日本語データではTSV(タブ区切り)を指定するほうが安全です。TSVはスプレッドシートに直接貼り付けても列が正しく分かれます。
Excelにそのまま貼れる形で出力させる
集計や並べ替えをしたい場合は、TSVで出力させるのが最短です。指定のコツは、ヘッダー行を含めること、そして「コードブロックで囲む」ことです。コードブロックにすると、余計な装飾が入らずコピーしやすくなります。
プロンプト例
以下の議事メモから、タスク一覧を抽出してください。
# 出力形式
- TSV(タブ区切り)で出力し、全体をコードブロックで囲む
- 1行目はヘッダー: タスク名 / 担当者 / 期限 / 優先度 / 備考(区切りはタブ)
- 日付は YYYY-MM-DD 形式。メモに日付がなければ「未定」
- 優先度は 高 / 中 / 低 のいずれか1文字で表記
- セル内に改行・タブ・カンマを入れない
- 該当情報がない欄は空欄にせず「-」を入れる
- 表以外の説明文は一切出力しない
# 元データ
(ここに議事メモを貼り付け)
「セル内に改行・タブを入れない」という指定は地味ですが重要です。これがないと、備考欄に長文が入って列がずれることがあります。また「空欄にせず -」と決めておくと、後から関数で処理するときに扱いやすくなります。
列を後から増やす依頼の仕方
一度出した表に列を足したいときは、作り直しを頼むより「同じ表に列を追加して、他は一切変更しない」と伝えるほうが安定します。「全体を作り直して」と言うと、既存のセルの表現まで変わってしまうことがあるためです。
箇条書きの粒度と階層をそろえる
リスト形式の出力でよくある悩みが、粒度のばらつきです。1項目が1行のこともあれば、3文の説明が続くこともあります。これは「各項目は◯字以内」「階層は2段まで」と数値で指定すれば解決します。
- 項目数:「7項目」と固定するか「5〜8項目」と幅で指定
- 1項目の長さ:「40字以内」「体言止め」など
- 階層の深さ:「入れ子は1段まで」「子項目は各2つ」
- 記号:「先頭に・を付ける」「番号付きにする」
- 並び順:「重要度が高い順」「時系列順」
プロンプト例
次の資料を、社内共有用の箇条書きに要約してください。
# 出力形式
- 親項目は5つ。各親項目に子項目を2つずつ付ける(階層は2段まで)
- 親項目は25字以内・体言止め
- 子項目は50字以内・です/ます調の1文
- 親項目の先頭に「■」、子項目の先頭に「・」を付ける
- 重要度が高い順に並べる
- 見出しや前置き、まとめの文章は付けない
# 制約
- 資料に書かれていない内容は補わない
- 資料から読み取れない場合は、その項目を作らずに減らしてよい
# 資料
(ここに本文を貼り付け)
ポイント
形式指定が長くなってきたら、テンプレートとして保存しておきましょう。「# 出力形式」のブロックだけを使い回し、元データと目的の部分を差し替えるだけで済みます。チームで共有すれば、誰が実行しても同じ形の資料が出てきます。
出力が崩れたときの直し方
指定しても形式が守られないことはあります。その場合は、やり直しを頼む前に原因を切り分けます。
- 指示が多すぎないか:条件が10個を超えると守られにくくなります。5〜7個に絞ります
- 矛盾していないか:「簡潔に」と「詳しく」が同居していないか確認します
- 見本を見せたか:文章で説明するより、1行だけ完成例を書くほうが確実です
特に効果が高いのが3番目です。「こういう形式で」と説明する代わりに、期待する出力の1行目を実際に書いて見せると、AIはその形をなぞってくれます。
プロンプト例
先ほどの出力は形式が崩れていました。以下の見本と完全に同じ形式で作り直してください。
# 見本(この形をそのまま真似すること)
| 施策名 | 想定工数 | 効果が出るまで | 担当部署 |
| --- | --- | --- | --- |
| 問い合わせテンプレート整備 | 5時間 | 2週間 | 総務 |
# ルール
- 上の見本と列数・列名・区切り記号を完全に一致させる
- 行は6行にする
- 想定工数は「◯時間」または「◯日」の形式で書く
- 表の前後に文章を書かない
内容は先ほどと同じものを使い、形式だけを直してください。
よくある質問
Q. 表がスプレッドシートで1列にまとまってしまいます。
A. Markdown表をそのまま貼り付けている可能性が高いです。区切り文字が縦棒のため、列として認識されません。TSV(タブ区切り)で出力し直すよう依頼すれば、貼り付けるだけで列が分かれます。
Q. 列数が多い表を作らせると内容が薄くなります。
A. 列が7つを超えると、1セルあたりの情報量が落ちやすくなります。表を2つに分けるか、まず4列で作り、その後「この表に◯◯列を追加して」と段階的に増やすほうが精度を保てます。
Q. 表の中身が本当に正しいか不安です。
A. 形式を整えても内容の正確さは保証されません。特に料金や仕様など変わりやすい情報は、公式情報での確認が必要です。プロンプトに「不確かな項目は要確認と書く」と入れておくと、検証すべき箇所が見えやすくなります。
Q. 毎回同じ形式で出したいのですが、良い方法はありますか?
A. 形式指定の部分だけをテンプレート化し、メモアプリなどに保存して使い回すのが手軽です。ツールによってはカスタム指示やプロジェクト機能で、常に適用される指示を登録できる場合もあります。
Q. 文字数の指定はどのくらい守られますか?
A. おおよその目安として機能しますが、厳密には守られないことがあります。「30字以内」と書いても40字になる場合はあるため、厳格さが必要なら出力後に確認するか、「30字を超えたものは書き直して」と再依頼してください。
まとめ
表やリストで出力させるコツは、形式・列・行数・セルの書き方・前後の文章という5点を明示することです。これだけで、貼り直しの手間はほとんどなくなります。日本語データを扱うなら、CSVよりTSVを選ぶほうが崩れにくくなります。
指定が守られないときは、説明を増やすより完成例を1行見せるほうが確実です。よく使う形式指定はテンプレートとして保存し、元データだけを差し替えて使い回しましょう。ただし、形式が整っていても内容の正しさは別問題です。数字や仕様は必ず自分で確認してください。
- 表は「形式・列・行数・セルの書き方・前後の文章」の5点を指定する
- Excelに貼るならTSV+コードブロック指定が最も崩れにくい
- 箇条書きは項目数・文字数・階層の深さを数値で決める
- 崩れたときは説明を足さず、期待する出力の見本を1行示す